16話 11t押しがけ事件


 長崎公会堂で無事に芝居が終わりトラック積み込みもすべて終了し「さあ飯にしよう!」と解散しかけた時です。

 ドライバー「エンジンがかからないので押して欲しい」

 全員「?!これ押しがけできるの?11tだよ!」

 長崎公会堂の搬入口は図のように距離もありません。 さらに地面が右に傾斜しています。全員躊躇しました。



 制作の菅野氏「おまえあそこの垣根に突っ込まないの?」

 ドライバー「多分大丈夫」

 制作の菅野氏「本当かよ」

 などと不安げな会話の中でついに

 舞台監督の菅野氏「やろう!」

 全員「えーーーっ」

 男スタッフ全員11tの後ろにスタンバイしました。
 「せーの」で一気に押しました。11tが動きました。
 同時に

 「や、や、や、やばい!」

 と悲鳴にも似た叫び声が。

 11tが動いた瞬間約40度ぐらい右に傾いたのです。傾いた先にはタクシーが1台止まっていたのです。ドキドキドキドキドキドキドキドキ(←ものすごく早いテンポで読んで!)

 11tはその時エンジンがかかり右に急ハンドルを切ったため横転せずに済みました。

 11tの押しがけなんてこれから先の人生の中でも滅多に経験することはないでしょう。

教訓:11tトラックの押しがけなんてするものではありません!