<18話 グルジア珍道中② ただ食い事件>
Yさんが完全にアルコールが抜けた4日目に二人で昼食を食べに出かけました。まあまあのレストランがあったので入ったのですが、店員と他の客全員「外人が来た」という感じでじろじろ観察されているようでした。テーブルに付こうと探しましたが、たぶん「予約席」とグルジア語で書かれているであろう立て札があり、しかもパンなどがすでに準備されているテーブルしかありませんでした。
Yさん「まあいいよ、ここで食おう」
と大胆にもその席に座りパンに手を出し食べ始めました。
店員が何かわめいています。
「これ予約席じゃないの?」
「大丈夫、なんてことないよ」
と平然と食べているのではありませんか。
私も「どーなってもいいや」
感覚で一緒に食べ始めました。
店員のわめき声はだんだん激しくなり、周りの客も皆こちらに注目しています。
その状況の中でサラダとボルシチのような煮込みを注文しましたが、ちゃんと出てきました。
どーなってるのだろうこの店は?
たらふく食べていざ勘定を払う段になって、二人ともグルジア語はさっぱりなので私が財布から札を4~5枚見せて「好きなだけ取ってよ」てな感じで差し出すと、店員はいらないというポーズをして、Yさんが着ているTシャツを指さしたのです。
教訓:ウォッカを飲み過ぎると多重人格者になります。