<パソコン再生における留意点>

 現在の舞台音響効果においては、パソコンによる再生が標準化されつつあります。

 私どもでは1995年よりApple Macintoshによる再生を行ってきました。

 過去においては様々なトラブルに遭遇し、どうすれば安定するかを第一目標に改良や問題点の解決を行ってまいりました。

 これまでの私たちの経験から、ここではトラブル回避するために、パソコン本体、記憶媒体の基本的な設定、使用方法などを述べてみたいと思います。

 これらの提言がパソコン再生を行っている方々へアドバイスとなれば幸いです。


 コンピュータはアプリケーション、データ共、記録媒体から一旦メモリー上に読み出し、加工後再度記録媒体に保存する、というのが基本構造です。オーディオ再生においても同様で、

記録媒体からの読み出し→PC内Memoryに蓄積、読み出し→USB変換→DA変換→再生

となっています。故にハード面から見た再生時に発生するトラブルはMemory Tipの不良とHDの不良が大半です。

1,Memoryの不良
 普通に使用していて、今までよりコピー、ペースト時に少し時間がかかるなと感じたら、Memory不良の可能性が大です。なかなか判断が難しいのですが、大きなデータ(1G位)をコピーするとはっきり分かることがあります。

2,HDの不良
 PC起動時、アプリケーション起動時に時間がかかるようになったらHDの回転数低下がおきています。回転数が低下すると、HDからのデータ読み出し速度が、メモリー読み出し速度に追いつかなくなるため音飛びが発生します。また異音がする、異常に熱を発する場合は即交換して下さい。基本的には電源投入から5年経過したら不良の有無にかかわらず交換をお勧めします。

 PCにOfficeやネット接続、Ether接続等のアプリケーションがインストールしてあると、PCを起動した時点で初期設定項目や起動itemなどのアプリケーションが動作するため、これらがHDにアクセスしたとき、音データの再生とぶつかったならば、音飛び、フリーズの原因となります。故に本番で使用するサウンドデータは外付けに保存するようにして下さい。またOSも自分用と再生用と2つのOSを入れ、切り替えて使用することにより、安全性を高めることができます。また数種類のアプリケーションを起動後、そのPCを本番で使用する場合は、一度Memory内を空にするためにPCの再起動を必ず行うようにして下さい。


音飛び症状の判断基準 

1,毎回同じところで音飛びが発生する場合はデータそのものが壊れているのでデータ入れ替えをすれば解決します。

2,毎回音飛びする場所が異なる場合はMemory、HD、本体、ケーブルのいずれかだと思いますが、日頃からPCの状態を注意深く観察し、上記述べた症状から解決を試みて下さい。