---あとがき---


 
 手作りのヘッドセットは、最初はなかなか上手く作れないかも知れませんので、初めに「自分用のヘッドセット」を作ることをおすすめします。型の採寸は他の人にお願いし、後は自分の頭で試しながら作ることが出来るので、どうすればフィット感が出るか、どうすれば痛くないかが感覚でわかって来るようになります。作るのに時間も手間もかかりますが、その人にジャストフィットし、どんな髪型の人にも対応出来るという点がこの手作りヘッドセットの良いところだと思います。

 本レポートは私の経験からまとめたレポートですが、舞台業界内では細かい技術伝承は口伝にとどまり、全く異なる方法を確立されている方々がいらっしゃるかも知れません。そのような方々からのご指摘、レポートも心待ちにしています。

 また今後新たな素材、やり方が開発され、本レポートも過去のものになる時が来ると存じます。常に新しい素材を探し、より良いヘッドセットの作り方を模索していく所存です。

 私がマイクケアを担当させていただいたとある舞台で、役者さんから「こんなに動いてるのに全然マイクが取れない。すごいね!」と嬉しいお言葉をいただいたことがあります。

 マイクオペレーターや出演者が仕事をしやすい環境を作ることがマイクケアの基本業務であり、素晴らしい舞台作品を作ることに繋がるので、私の手作りヘッドセットがその一助になれたら幸いです。




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